2026/08/17
株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:中島 規巨、以下「村田製作所」)と社会医療法人誠光会(所在地:滋賀県草津市、理事長:鈴木 孝世、以下「誠光会」)は、医療現場の課題発見から解決策の創出までを学ぶ「バイオデザイン*¹」の考え方を高校生向けの教育活動として展開するプログラム(以下「本プログラム」)を共同開発し、誠光会が運営する淡海医療センター(滋賀県草津市)にて初めて実施いたします。
*¹ バイオデザイン:2001年にスタンフォード大学のDr. Paul Yock(ポール・ヨック博士)らが、デザイン思考をもとにした医療機器イノベーションを牽引する人材育成プログラムとして開始しました。開発の初期段階から事業化の視点も検証しながら、医療現場のニーズを出発点として問題の解決策を開発し、イノベーションの実現を目指すアプローチを特徴としています。
近年、医療現場では、医療技術の進歩や患者ニーズの多様化に加え、医療従事者の負担軽減や効率的な医療提供体制の構築など、病院の状況や地域医療の環境に応じた多様なニーズが複雑化しています。こうしたニーズに対し、適切な解決策を生み出すためには、医療従事者の声を通じて現場で生じている課題を理解し、その背景にある本質的なニーズを見極めた上で、技術的な実現可能性や社会実装の観点も踏まえて検討できる人材が求められます。
一方で、日本では子どもたちの理科離れやIT人材の育成の遅れが課題となっており、社会課題を自ら見つけ、技術を活用して解決策を考える力を育む教育環境やプログラムのさらなる整備が必要とされています。
そこで、村田製作所と誠光会は、高校生が医療現場の課題を起点に、解決策となる技術コンセプトを創出する教育プログラムを共同開発しました。
村田製作所と誠光会は2022年より、医療現場のニーズを起点とした医療機器開発に向けた協業を進めてきました*²。この協業では、医師や看護師など医療従事者が抱える課題を発見し、技術者とともに解決策を模索する「ニーズ志向」のアプローチを実践しています。
*²
本プログラムでは、高校生が6日間にわたり、医療現場で生じている課題や医療機器への理解を深める活動を通じて、現場に潜む課題の発見、ニーズの深掘り、解決に向けた技術コンセプトの創出に取り組みます。課題の深掘りやコンセプト創出においては、淡海医療センターの医師・医療スタッフと村田製作所の技術者が伴走し、高校生の柔軟な発想を、技術的な観点から具体的な提案へと落とし込む支援を行います。

医療現場が抱えるニーズは、患者の状態把握、医療従事者の業務負担軽減、医療機器や情報の連携など多岐にわたり、その解決には幅広い技術的アプローチが求められます。当社は、電子部品の開発・生産で培ってきた材料開発、商品設計、生産技術に加え、ソフトウェアや分析・評価などの技術基盤を有しており、センシング、通信、データ活用など、現場ニーズに応じた多様な解決策の検討が可能です。
これまで誠光会と重ねてきた医療現場でのニーズ探索や課題分析の知見を活かし、誠光会の専門的知見と当社のモノづくりで培った課題解決力を組み合わせることで、高校生の柔軟な発想を実際の医療現場に根ざした具体的なアイデアへと発展させ、社会につながる学びを提供します。
本プログラムについては今後、教育機関や自治体との連携を通じ、地域の学校カリキュラムへの組み込みや展開を検討してまいります。村田製作所と誠光会は、医療現場、モノづくり、教育現場をつなぐ本取り組みを通じて、社会課題を自ら見つけ、解決策を考え抜く次世代人材の育成に貢献してまいります。
*村田製作所のSTEAM教育推進の取り組みについて
村田製作所は、エレクトロニクス業界をリードするモノづくり企業として、将来イノベーションを起こす人材を育成するため、STEAM教育活動に取り組んでいます。2006年から、モノづくりを支える技術者の仕事内容や楽しさを伝える「出前授業」を実施しているほか、2020年には村田製作所みなとみらいイノベーションセンター内に子ども向け科学体験施設「Mulabo!」を開設するなど、理科に興味を持つきっかけとなる活動を続けています。また、地方自治体と連携した次世代育成の推進や、大学と理工学への興味促進に関する共同研究など、産官学連携による活動にも取り組んでいます。
ムラタについて
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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